クラウンノナミダ。

クラウンは正直になれない。だから、おどけ、ふざけ、笑われようとする。不器用な小心者のねじれた日常。

それは優越感を得たいからなのか。ただ、愛は深まる。

立ち見が100人入ったというさえずりを見かけた。
そこへ関心を向けていた人達が・・・一斉にざわついていた。

俺もその一人だ。

どう考えても週末にかけての平日は無理だが、週末から休み明けなら行ける!と思った。幸いボーナス時期だ。なんとかなる。

保険をかけて日月で行けばよい。そうすれば3回は挑戦できる。

みりんぼし仲間にも聞いた。「行った方が良いって!!」と背中を押され、詳細を教えてくれた。

決まれば早い。

「遠征バカをなめんなよ!」と誰に言うでもなく呟いて、一気に予定を決めた。身体にいちばん無理のない予定にした。最近、体の疲れが精神にも来ているので、たまには…と、帰りは宿を取った。いつもなら、待合所で座って寝るんだがww

日昼はおそらく170近くはいたと思う。俺は多分半分くらいで呼ばれた。あとも立ち見で入ったっぽい。夜にお隣に並んだ人が、残り30人くらいで立ち見で入ったといっていた。全部入れたのではないだろうか。自分は関係者席の隣だったので、本当にギリで滑り込んだのだろう。しかもおそらくその隣の隣くらいにみりんぼし氏がいたと思われる笑。うそだろ~。劇場を出て、さえずりで気が付いた。挨拶したかったわ!!(そこか)

昼は・・・さすがに黙っていた。あと2回あるのだ、さすがにあと2回行くとか言えない。

夜はすんなり入って座った。ちょうど、弟が日替わり担当の日だった。輝いていた。とても楽しそうに。そして、ネタが秀逸すぎて大爆笑した。素晴らしいネタだった。それが、なんだかとっても嬉しくて、思わず伝えた。言わずにはいられなかった。こっそり行くつもりだったのに・・・そういう時は、大概なにかしらあって、伝えたくなってしまう。追っかけか。でも、普通は行く前に言うものだよな・・・と思って、いつもそれを忘れてる自分に腹が立つ。
「ごめん!調子悪くてソッコー出ちゃったよ」との返事に、もしゆっくりしてたら「おいでよ」とか言われたのだろうかと無駄に、ありもしないことを考えてしまった。

「裏側おいでよ!」と言われるのを少し期待しつつ、いつも先に言わないのは「いや、行ってはダメだ。その領域は越えてはいけない。」と謎の予防線を張っているからだ。自分も、その辺の境目は、いまだにわからない。


***

梅雨の作品の時は、制作ともかんだから、挨拶へ行った。
自分も作った一人だという自負があったから。行っても良いだろうと。

あの時に何か一つ乗り越えてしまったような感覚は、正直ある。

今までは触れてはいけない領域だった、彼の世界。前に「裏側にもおいでよ!」と言われた時に『いや、あくまでも客で行きたいんで。』と拒否したことを、実は、あれでよかったのかと未だに悩むこともある。だけど、やはり気がラクなのだ。あくまでも趣味。作品を観る方は。

未だ憧れはある。

俺が音どらまに執着するのもそれが理由だ。演じること、演じる人を見ること、そこに演出を付ける事、話を転がすこと、音を付ける事、お話を作る事・・・自分はそれが上手く出来ないから、いまだに憧れを抱いている。関わってきたし、今も関わりたいと思っているけれど、踏み込めないのは憧れでしかないからだ。中に入れていない。

だから、踏み込めない。

それが1つ。

もう1つは、そちらで応援している人の方が断然多いという事だ。関係者なんかで入ってしまったら場合によっては、変な目を付けられかねない。目立ってはいけない。ただでさえ、異性の目は怖いのだ。


***

結果的に、喉がギリギリなのは見ていてもわかったので、それでよかったと思う。そこに押し掛ける気はさらさらないし、向こうも迎える気など一切ないだろう。
ただ、日夜の姿が可愛過ぎて、チビを書いて送った。少しでも、喜んでくれたらいいし、それで明日のエネルギーになるならいいと思った。お金をかけない形で申し訳ないけれど、その分時間を費やして元気に出来たらいい・・・かもしれない。

美しいお顔は書かなかったけれど、俺にはそれでも充分行ける構図があった。それで、あの可愛さと嬉しさは伝わると思った。無心で書いた。翌日朝に贈った。

いつもはすぐに上がることが多いが、そのままその日は終わった。他の人の素敵なお顔が上がっていた。愛だなぁと、ほっこりした。一体どれくらい時間をかけたのだろう。愛しかなかった。こっちの方が何十倍もステキじゃないか。負けたなと思った。やはり、応援している人の想いはすごい。応援している人の真似事をしてはならぬなぁと、身に染みて感じた。

おちつけ、お前さん。よいではないか。お前のの気持ちが、彼に伝わっておればよいのだ。言葉で表現できないあんたの、唯一の感想なのだから。と、自分をたしなめる。かっこわる。

ちょっとした安心と、ちょっとした寂しさがあった。

俺より上手い人間なんてごまんといるんだ!!わかってるのに、寂しいのは、優越感に浸りたいからなのか?最近自問自答を繰り返している。情けない。歳かな。

もやもやが晴れないので、ダメ押しに違う絵柄をもう1枚送った。ああ、バカだ。完全に嫉妬出しまくってんじゃねーか。


やはりちょっとした期待で、送ってしまっている自分に気づく。情けない。人間の嫌なところがにじみ出てしまっているようだ・・・あぁ。




そして、見事チャレンジした3回を見終えて、無事に地元へ帰ってきた。

ラストは仕事真っ最中。入るまでも、出るまでも、一切チェックなどできなかった。



皆がぽつぽつ終わったさえずりをし始めた。打ち上げに行く前の報告だ。



やっと過去のさえずりを遡る。

・・・やられた。

最後の本番前に使うなんて予想してなかった。あぁ、もっと素敵な絵が、きっとあっただろうに・・・。

これだから、困るんだ。でも、俺がダメ押ししたから仕方なく使ってやったのかもしれない。わからない。

わからない。ただ、あの人は天然で、こっちが振り回されてることなど、100も承知している。

俺、カッコわる。そして・・・胸が痛い。

めんどくさいやつだと、思われたかもしれない。あぁ。仕事やりにくくするぞこれ。愛が偏って行く・・・。

そしてこれがまた悲しい事に、彼を応援している人の多くは拡散していないし、共感もしていないのだ・・・それでも共感800とか行くのだからすごいけど。書いたのが誰かわかってるんだよな。だから、嫌悪感出してるんだぜ。わかってんだ。だから、つらい。

と、ここまで書いたが・・・自分はどうしてほしいのだろうな。

ただその人に見て欲しいのか、繋がってる事を見せびらかして欲しいのか、それで優越感に浸りたいのか、その人を利用して多くの人に見て素敵ねって言って欲しいのか・・・

なんなのだろうな。わからない。

ただ揺るがないのは、感動の表現の最上級が絵にすることだってだけだ。



好きを強くして、迷いばかり増やした。

この作品のせいで間違いなく、色んな意味でロスった。

行ってよかったが、決して人には話せない。。。